第1章 ツンデレ彼氏で困ってます① ➛ 家康
皆は口を揃えて家康のことを「天邪鬼」というけれど、私はそう思わなかった。
たしかに、少し前の家康は天邪鬼な性格だったと思う。が、恋仲になった今、前と比べて素直になることも多くなったと、私は感じている。
ただ、素直な気持ちを言うことには未だに慣れていなくて、大概ツンデレになってしまう。
そこが、すごく、可愛いんです……。
毎日のように炸裂するツンデレに、私の心臓はいつまで持ちこたえられるかな、なんて。
いつか、本当に壊れてしまうんじゃないか。
(そうしたら、家康の医術で治してもらおっ)
たぶん、無理だけど。
……いや、家康の医術ならもしかしたら、奇跡的に治せるかも……?
そんなこんなを思っていたとき、後ろの襖が静かに開いた。
「まだ起きてたの?」
「う、うん……!家康が帰ってくるの、待ってたの……」
「え……」
嘘はついてない。実際 最近は、家康が帰ってくる前に寝落ちしてしまうことが多くて、なかなか「おかえり」を言えていなかった。
咄嗟に出た本音を聞いた家康は、耳まで赤くして大きなため息をついた。
「はぁ……待たなくたって、いいのに」
「わ、私は待ちたいの!家康に『おかえり』って最近言えてなかったから……んっっ」
まだ話してる途中で、ふいに唇を塞がれて紡いでいた言葉が途切れる。
「ふあぁ……んんっ……」
口付けは容赦なく深まり、口内だけでなく頭の中も支配されるような感覚に陥った。
それに加えて、つい先程出た家康のツンデレに悶えて、私は全身に力が入らなくなった。
その様子を家康が見逃すはずもなく、それに合わせてゆっくりと私を押し倒していく。
この時、私は長い夜が始まるのだなと、心の中で無意識に悟った。