第11章 11
「ぎゃはは!もー気づいてないと思ってたのー?
なめるんじゃないわよ~これでもいろんな女たちとライバル関係にいたんですからねーかかしと付き合うまで。
やたらモテるからさーーー」
ぎゃはは!と声高らかにまた笑っている。
やっぱりばれてたんだ…うちの感情…
「はい、落ち込まない!
いや、正直なところ、うれしいのよ。
えまみたいな子がかかしを好きになってくれて。
あんたになら、かかしを任せられるって思ったから。」
「いや、香蓮さんがよくても、かかし先生がよくない…」
「かかしはね…ほんとは自分で気づいてるんだよ。
えまに対して新しく芽生えてる気持ち。
でもね、最後まで私のために黙って演じてくれてたんだ。
いや~ほんとかかしはすぐ自分の感情抑え込んじゃうからねー、だから私からも言ってあるの。
死んでも縛るつもりなんてないって。
かかしにはえまと同様、どうしても幸せになってもらいたいんよ…」
「急なカミングアウトすぎて、その、頭がついていかないというか…」
「ま、あとは二人次第ってことよ。
私は許してんだから、気遣いなんてやめてね。
あとお墓の前で二人で謝るのも‥ギロリ」
「へへっ私たちの行動、まるわかりじゃないですか汗
さすが香蓮さん(笑)」
「あとね、その精神エネルギーの力、いつかほんとにえまが大事におもう人のために使う日がくる。
それがかかしのためか、いつかできる子供のためか、自分自身のためか、それはわからない。
でもその時のために、今のまんまの心で、もっと積み重ねていけば、もっと強い力を発揮できて、長門の使った輪廻転生なみにたくさんの人のために使える日がくるかもしれない。だから、今は温存すること。わかった?」
「はい…わかりました…」
そういったところで、香蓮さんが透けてきた。
「おし!言いたいこと言ったし、もう逝くわ!」
「そんな元気にいわれても…」
「なによ、もう40歳になっても独身でいたらあの世から馬鹿笑いしてやるからね!」
「んな!!!?もーわかりましたよ!ちゃんと40歳までには独身卒業してやりますから!」
「ぎゃはは!こっちには早くくるんじゃないよー」
「香蓮さん!…あの大好きでした!もちろん今も!」
「ふふ!わたしもー!かかしを頼むねー!」