第11章 11
「え!?…香蓮さん!?」
「おーおーやっときたかー!」
「え、なんで………。やっと?え?もしかして私も死‥?」
「いや死んだの私っしょ(笑)
かかしにはだいだい最後の言葉は伝えたんだけど、えまには伝える時間がなかったからー」
「えぇ?!こんな時間あるなら、もう一回かかし先生にあったほうがいいに決まってますって!」
「いーの。もうかかしとは十分話したし、覚悟を決めてたからね私たちは」
「…でも、あの訳わかんないですけど、いろいろ思い詰めてたら胸のあたりが光って…こんな状況になってるんですが、うち…もしかしてなんか能力か術もってましたっけ?」
「そーなのよ、本題はそれそれ!
えま、あんたこの世界の住人じゃないでしょ?」
「ぎく!」
「いいよ、私も死んでわかったんだから。
でね、あんたは特に何も能力や術をもってなかったわけ。最初っから。」
わりかしはっきりいわれてずーーーーーんと落ち込む。
「でもさ、私やかかしを幸せにしたいって思いながらやってきたでしょ?
その思いの力が強くてね、えまの中にどんどん精神的エネルギーとして蓄えられたみたいなのよ。
えまは特にチャクラを練ったこともないし、身体エネルギーが高いわけでもない。ましてや印も結べない。はっきりはわからないけど、別の世界から来た特権ってことになるのかな。その強靭な精神エネルギーだけで、能力を使えるっぽいんだよね。例えば生き物に生命を与えれるくらいに。」
「え!・・・・・ってことはうちの力で香蓮さんに生命を与えられるってことですか?死ななくてすむ!?」
「…そうだね、そうとも言える。でもね、それはさ私に使ってほしくないんだよ」
「は?」
「私は、実際こうして死んでみて、未練がない。えまと会わずして、あの抜け殻みたいになったまま死んでたら、未練たらたらだったんだろうけど、えまと会って、かかしとえまといい時間を過ごせて、未練がなくなっちゃったんだわこれ!」
「ええぇーーー!?なんでまた!?てか、かかし先生は香蓮さんが逝ってしまうことなんて望んでません。それに…わたしだって!」
「えま、かかしのこと好きなんでしょ?ニヤリ」
「なっっっっ!!!?汗」