第8章 8
香蓮サイド
やっと世界が平和になって、大好きな人とも繋がり、これからなんだってできるっていうときに発覚した自分の病。
おそらく忍界対戦の時にはすでにむしばまれていた。
でも気づけなかった。
すべてが落ち着き、気が緩んだのがあだとなったのか病状がいっきに悪化、現在にいたる。
最愛の人は火影になり多忙な日々。
それでも私を大切に思い、すべてを受け入れ結婚もしたいといってくれた。
でも余命半年、長くて一年の私に何ができる?結婚をしたところで、最愛の人を置いていかなければならない。
私が死んだら‥…
かかしは、またいつまでも自分を責めるだろう。
結婚するなら、これから人生を一緒に歩める人としてほしい。私は、結婚を断った。
かかしも、私の考えには気づいている。
二人で散々泣いた。泣くしかなかった。
希望を持つのもやめた。
かかしも、これからのことなんて話さなくなった。
私たち二人はその瞬間だけを生きることにきめたのだ。
明日なんか私にくるかわからない。
ある日、かかしから話をきいて、私のお世話係がくることになった。えまだ。
いつもニコニコ愛嬌があって、とてもやさしくしてくれる。最初はたわいもない話をする程度だったけど、毎日会えば、気心しれて親近感もわいてくる。
てゆーか、からかうとおもしろい。
あげくに、実は年上だったときた。もう爆笑。
中身は中学生といったところであろうか、でも実は35歳って(笑)このギャップには今でも思い出し笑いしていまうくらい。
あんな笑ったの久々だったな。
かかしはいつも悲しそうに私を見るのに、その日から昔と同じように暖かい目で見てくれるようになった。
自分でもわかる。私は変わったのだ。
精神的に支えられている、と同時に、明日への希望が出てくるようになった。
明日なんてこないかもしれない、でもそれが、明日はこれがしたいと言えるようになった。
えまは、わかりました、やりましょう!といつも、私の明日への希望を支えてくれる。
私に明日がまた来るかもしれないと思わせてくれる。
でも気づいてしまった。
自分はまだ生きたいと思っていることを。
かかしを、えまを残してまだ死にたくない…