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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第6章 文化祭 *


あれから辛いリハビリをなんとか頑張り、念願の退院を迎えた。

南條先生から『頑張ったな』って頭を撫でられ、ちょっと気恥ずかしくて、先生の事を父親のように重ねていたせいもあると思う。

侑君と治君は、学校や部活の合間をぬって、何度もお見舞いに来てくれたり、リハビリに付き合ってくれていた。

たまに聖臣達と会うと、必ずといっていいほど侑君と聖臣が衝突することがあって、そうなると治君と元也が止めてくれるから、なんとか切り抜けていたような気がする。

あれから眠れない日は、侑君と夜な夜な寝付くまでじゃべることが増えていった。

侑君とのお話タイムは、部活のチームメイトが主で、一個年上の北先輩とアラン君や同級生の角名君、銀島君といった個性が強い人達と思えた。

その時間があったからこそ、精神的に落ち着いて生活できていたと思う。

次第に侑君との電話は、楽しみでもあったりして、それをあえて聖臣に言うこともなく過ぎていく。

「明日から、学校だけど起きれるのか?

もう一週間伸ばした方が、よいんじゃない?」

「あぁ~また聖臣の心配症が…」

「バカか!俺は、沙耶の体を考えて」

また始まってしまった。

最近の悩みの種は、心配症な上に元々ネガティブ思考な聖臣のことだ。

それは、退院した途端に超がつくほど、過保護になってしまったこと。

あれはするな、それを持つなとか、今まで出来た事を出来るなくなった事が原因でもあるけど、必ず補助がいるってわけでもないのに、少しでも出来ないと落胆していた。

その度に、とくに聖臣は甘やかしてくる。

それに甘えすぎてるせいもあって、それを見た元也が、横で聖臣に対して呆れた顔をしているのは当然のことだ。

「二人共、そこもめないで!先生にもO.Kもらったから大丈夫。

階段とか補助お願いしたりするけど、普通に生活する分には、なんとかなる。

それに、何かあったらすぐに助けてくれるんでしょう?」

「『もちろん!』」

二人共声を合わせて、笑顔で手を指しのべてくれる。

少し不都合になった体でも、いつもこの二人がいればなんともない。

いつも通りの日常が待っているような気がしていた。

「明日から宜しくね」

「じゃ明日、いつもの所で集合」

元也が家に帰るのを見送り、聖臣が自分の部屋に戻ろうとした時、携帯からコールがなった。
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