第4章 宮兄弟の愛し方
なんだろう?
両手が、温かい!
懐かしい声も聞こえてくる。
いつも喧嘩してすぐ仲直りして、一緒のことやって笑って楽しんでいる双子の兄弟。
変わらないね、昔と同じように笑っている。
「起きた?気分はどうや?」
風に揺れた銀髪の男の子。
誰?なんだか見慣れない子だな。
「おい、ツム開けすぎや!沙耶が、風邪ひいてまうやろ」
太陽の光に照らされた金髪の男の子が、眩しいくらいとびっきりの笑顔でこちらを見ている。
「すまん、すまん。
ココ眺めが最高!つい全開したなって~。
沙耶、目覚めたか?」
なんか、夢とデジャブ?
似てる!双子の顔…兄弟?侑君と治君!!
「もうちょいかな?お姫様には、コレがいいかな?」
えっえぇ!!近い近い起きる!起きてるって。
「待った!!侑君、治君近い」
「えぇ~待ったは、無しや。
お姫様おはようさん、久しぶりやな」
侑君が、ニッコリ笑って前髪を掻きあげてくれる。
「ほんま、久しぶりやね。
今日は、顔色が良くてよかった」
治君も昔と変わらない笑顔で優しく微笑んで、頬に触れている。
何?どうしたの?
なんか、昔から二人共カッコイイけど、更にイケメンに育った?
「あの~お久しぶりですね。
二人共、高校デビューしたの?
髪の色変わって…あの…カッコヨクなりまして…」
「ふっふふふ、アハハハ!!なんやねん、おもろいわ」
二人揃って、腹を抱えて笑っている。
「ひっひどい!!侑君そんなに笑わんでも」
「あかん、ツム腹が…痛いっアハハハ」
「うッ~も~治君も!!」
久しぶりに会ったのに、この仕打ち。
完全に目が冴えたわ。
それより、何でここにおるの?
「侑君も治君もどうしたの?
去年の夏以来だね、元気してた?」
何?聖臣もそうだったけど、なんで二人ともそんな顔するの?
マズイ!今朝、聖臣にバレーボールのI.Hで会っているよって言っていたような?
その時、眠くてあまり詳しく聞けなかったけど、二人も会場にいたんだよね。
疑問だらけで、深く考えると頭が痛くなる。
「去年じゃなくて、最近だけど…会場で会ったやん。
覚えてない?」
治君が、ニッコリ笑って頬を擦っているけど、なんだか悲しい顔だった。
侑君も同様の顔をしていたようで、なんだか空気が重い。