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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第2章 最悪な彼奴ら


聖臣side

事故があった日から、一週間がたった。

沙耶が、朝起こしに来るのが日常だったそれもなくなり慣れない日々を送る。

そもそも、あの日からあんまり眠れない時もありイライラする日々が続いた。

たまに、授業をサボるため屋上に行くことがあるが、気持ち的にもフラストレーションが溜まっていつになく集中できない。

原因は、病院で眠っている沙耶が何処かに行ってしまう夢を見るからだ。

それにしたってかなりリアルな映像だから、朝から最悪な気分にもなる。

『何してるの?早く行こう聖臣。』って寝転がりながら空に向かって手を伸ばすと、沙耶の言葉と伸ばされた手が触れるような幻覚を見ていた。

空を切るようにそれは振り払う払われ、頭を掻き毟りながら教室に戻る。

休み時間、主将から元也と共に呼ばれたその内容に溜息を一つ。

元也に『さぼる』とLINEに一言いれ、学校を抜け出す。

元也から『部活は、出るのか?』と返事がくると短く『出る』と答え、その足で沙耶の病院に向かう。

それ以外に、最近のイライラと溜息の一つ…沙耶達の担当医師が変わったことも関係がある。

最初に会った若い医師ではなく、海外から戻ってきた優秀な医師らしいが…。

部活帰りは、いつも面会時間ギリギリで口下手な俺の代わりに元也が、看護婦さんに取り入ってもらっていた。

そんな時、叔母さんや沙耶の手を握る一人の医師を見る。

その人は、海外から出戻ってきた医師で事故搬入の時からいたらしい。

実際会ったのは、ちょうど母さんと口論になっていたのを聞いてしまった時以来だけど。

その医師の名前は、確か南條先生って呼ばれてたな。

念入り消毒しながら、いつものように沙耶のところに行き、手を握りながら『おはよう!』と声をかける。

いつものバレーの話を始めた。

サービスエースとスパイクが、何本決まって何回ブロックされたとか、業務日報のように淡々と報告する。

いつもなら、沙耶とこのコースなら入るとか戦略を立てたりして話しが弾むはずなのに、相槌もなく淡々と喋るのは辛い。

早く起きろよ…お前の声が聞きたい…。

「君は、確か佐久早とこのお子さん?」

「だったら何?」

挑戦的な目をした医師から話しかけれ、それに対するように睨み付けた。
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