• テキストサイズ

【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第5章 やがて糸は火となり繭となる



「ユウさんは登山の経験はありますか?」

「はい、中学生の時に」

「ちゅうがく……?」

「あ、えっと……ミドルスクール?の時に」

「なるほど。初めてにしては歩き方がしっかりとしていると思ったんですが、経験があったのですね」

「いえ、経験と言ってもそれくらいなので……」

「フロイドよりも上手ですよ」

ニコリと笑うジェイドにユウは乾いた笑みを浮かべる。
後ろからフロイドの「うるせーんだけど」という声が聞こえた。

ユウはフロイドに気付かれないくらいこっそりと、後ろを振り返る。
フロイドは相変わらず不機嫌そうで、赤い糸が彼とユウをゆらゆらと揺れながら繋いでいた。

ユウは視線を戻す。
何故フロイドはあんなに不機嫌そうなのか。
ユウには分からなかったが、もしかしたら自分が原因なのかとしれないと漠然と思った。

暫く歩くとジェイドがピタリと止まった。
後ろを歩いていた2人も釣られて止まる。
彼が止まった場所は、山だというのに平らな場所だった。
その場所は小さな広場くらいの広さで、真ん中にはぽつんと一つだけベンチが置かれている。





/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp