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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第5章 やがて糸は火となり繭となる



「ようこそMr.エスのミステリーショップへ。何をお求め?小鬼ちゃん」

購買に着くといつものセリフをサムが言う。
グリムが我先にと「ツナ缶!」と叫ぶが、ユウはすぐさま「ツナ缶はいらないです」とピシャリと言った。
「仲が良いね」と笑うサムにユウは苦笑しながら、欲しいものを彼に伝えた。

サムが裏に引っ込んで、商品を用意するのを店内にある商品棚を眺めながら待つ。
商品棚には、髑髏の水晶や呪いのタロットカード、古代王のミイラなど物珍しいものが並ぶ中、髑髏の水晶の真横に果物の缶詰が置かれておりなんともミスマッチだ。

暫くユウが商品棚を見ていると、カランッと購買部の扉のベルの音と共に「こんにちは」と後ろから声をかけられる。
振り返ると、そこにはジェイドが立っていた。
ユウは一瞬ジェイドの姿を確認した時、びくりと肩を揺らした。フロイドかと思ったのだ。
しかしジェイドだと分かると、ユウはにこりと笑い「こんにちは、ジェイド先輩」と返事をした。

フロイドとジェイド。
明らかにヤバイ方と普通にヤバイ方。
皆んな彼らを陰でそう呼んでいるのをユウは知ってるし、彼女自身その呼び方は言い得て妙だと思っていた。
どちらもヤバイ双子だが、ユウにとってはジェイドの方がマシだった。




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