第3章 コバルトブルーの怪物を飼っている 2
モストロラウンジが閉まり、フロイドたちスタッフは掃除などの片付け作業を行なっていた。
モップを持ちながらテーブルに腰掛け大水槽をぼーと見つめるフロイドに、片割れのジェイドが注意をする。それに対しフロイドは「んー」と生返事をしながら、昼間の食堂での出来事を思い出していた。
妙に慌てるエースとユウ。
ユウ何かは途中で不自然なほど狼狽えていて、あれで何でもないという方が無理がある。
「ねー、ジェイド」
「どうしました?フロイド」
フロイドはテーブルから立ち上がり、今度はモップの柄に両手と顎を乗せながら側に立つジェイドに視線を向け、
「なんか今日食堂でさぁ……」
そして昼間あったことを片割れに語って聞かせた。
ジェイドは右手で顎を触りながら、時折相槌を打つ。
そしてフロイドが語り終えた後、「それは面白い」と普段は隠れているフロイドと同じようにギザギザと尖った歯を覗かせニヤリと笑った。
そんなジェイドの様子に、
「なになに?何が面白いの?」
とフロイドが食いつく。
「フロイド。ユウさんは貴方の右手を見てから急に表情を変えたんですよね?」
「そうそう。なんかめっちゃ驚いてた」
その言葉を聞いて、ジェイドは「フフッ」と不敵に笑う。