第1章 シュガーリィは魔法仕掛け
その日、1年Aクラスの魔法薬学の授業は2年Aクラスとの合同だった。
監督生ことユウは部活に入っていないため、親しい先輩というのはかなり限られている。そのためこのたまにある先輩との合同授業というのはかなり憂鬱だった。
そしてその憂鬱さに拍車をかけるのは相棒のグリムで、基本的に彼は礼儀というのを知らないのか先輩だろうが何だろうが、あの生意気な態度で接するため、だいたいプライドがエベレスト級の生徒たちはブチ切れるのだ。
そしてその怒りの矛先は何故かグリムではなくユウであるというのが彼女は心底納得できないでいた。
ツイステッドワンダーランドきっての魔法士養成学校であるナイトレイブンカレッジは男子校である。
そして、監督生ユウは歴とした女子であった。
何故男子校に女子であるユウが在籍しているのかというと海より深く空より広い理由があり、詳しく説明すると長くなってしまうので省略するが、ユウは異世界から何らかの理由でここに連れてこられてしまったイレギュラーな生徒なのだ。そして魔法士養成学校なのに魔法が使えない彼女はグリムという見た目がほぼ猫みたいなモンスターとセットで1人の生徒として扱われており、イレギュラーにイレギュラーを重ねた様な存在だった。