第14章 夢みていたのおとぎ話の世界 2
その日、彼らは授業中も小声でお喋りをしたり、ノートに落書きをしあったりした。
教師たちには睨まれたが、彼らはユウが明日故郷に戻るということを知っていた為、今日ばかりはエースとデュース、ユウとグリムが話していても見逃してくれた。
お昼休み。
食堂に行くと言う彼らに「先に行ってて」と伝えると、ユウは学園長室へと向かった。
コンコンコン。
扉を3回ノックすると、中から「どうぞ」と落ち着いた学園長の声が聞こえてくる。
ユウは「失礼します」と扉を開け、中に入った。
学園長室は例え昼間であっても少し薄暗い。
扉を開けた目の前の窓際に立派な机が置いてあり、その周りにはグレートセブンの肖像画が金の額縁に入ってふわふわと浮いている。
学園長はその立派な机で書類を書いているところだった。
「おや、ユウさんではありませんか。
どうかしたんですか?」
学園長は常にカラスを模した目元のみ隠れる仮面をつけている為。その表情は窺えないが、にこりと笑ったような気がした。
「あの、学園長。
お願いがあるんです」
「はい。なんでしょう」
「実は______」
ユウは学園長に話をする。
その話を聞いた学園長は何度か頷くと、ユウのお願いに「いいでしょう」と了承した。
「えぇ、勿論いいですとも。
何せ私、とっても優しいので」