第13章 夢みていたのおとぎ話の世界
ダンスパーティーの翌日は、学校が休みだった。
ユウとグリムが起きたのはお昼頃で、2人は一晩中泣いた為、目がぱんぱんだった。
目を覚まし、お互いの顔を見て、2人は声を上げて笑った。
そしてまた泣きそうになり、ユウは顔に力を入れグッと堪えると、にこりと笑顔をつくり「ご飯にしようか」とグリムに言った。
フライパンで目玉焼きを2個焼いて、一緒にベーコンも焼いた。
マーガリンをたっぷり塗ったトーストと、ドライフルーツが入ったヨーグルト。
それらをテーブルの上に並べ、グリムとユウは向かい合って座った。
いただきます。
ユウが食べる時、いつもそうやって手を合わさるから、いつの間にかグリムもそれを覚えていた。
「オレ様、ユウの焼いた目玉焼き好きなんだゾ」
「え、そうなの?はじめて知ったなぁ。
でも目玉焼きなんて誰が焼いても同じじゃない?」
「ベーコンもトーストだって、ユウが作ってくれたのが美味いんだゾ」
「…………ありがとう、グリム。
私も、グリムと食べる朝食が一番美味しいと思うよ」
カチャカチャと、食器が擦れる音。
いつもの朝食。
いつものメニュー。
それを、いつもよりゆっくり食べた。