第5章 マギ&迷宮攻略者?!
着いた場所は庭だった。夜も更け、人影が無い庭は静けさだけが残っている。
すると、シンがおもむろに剣を取り出す。
えっ?!き、切られる?!
そう思って身構えていると、何やらシンが唱える。
シン「…バアル!」
すると、剣がピカッと光り形が変わる。シンの腕も変になってる。
な、何コレ……?!
シン「これが、迷宮を攻略した者に与えられる力の一つだ。ジンの力を借りる事が出来る……とでも言うか。これは、武器化魔装だ」
「ぶきかまそう……?なんだか長くて分かりにくいなぁ」
シン「そんな事を言われてもな…」
シンが呆れた顔でこちらを見てくる。
いや、だってしょうがないじゃんか。分かりにくいよ。
私が不満そうな顔をしているのもお構い無しに、シンは剣を元に戻し、今度は腕輪を掲げながら言う。
シン「我が身に宿れ、フォカロル!」
すると、バアッとシンが光る。
わっ、とすっとんきょうな声をあげ、そうっと見てみると、シンが変な服を着ている。
えーと……瞬間早着替え?
シン「これが、全身魔装だ」
「ぜんしんまそう、ね。へー……シン、意外とカッコいいじゃん」
シン「意外ってなんだ、意外って」
「いや?言葉のまんまの意味だけど」
シン「あのなぁ……」
シンは苦笑しながらも、まんざらでもないようでニヤけてる。
……扱いやすい(笑)
シン「まぁ良い。凜、お前も出来るだろう?」
「は?いや、わかんない」
シン「わかんないって、お前……」
「あー、待って。シャーレイに聞くから!」
そう言って、頭の中でシャーレイに話しかける。
「(シャーレイ、全身魔装って出来るモンなの?)」
シャ『はい。私が言う通りに唱えてください』
「(……オッケー)」
私は、シャーレイが言った通りにボソボソッと言い、最後のとこ……要するに、さっきシンが叫んでたとこだけちゃんとに言う。
「えっと…我が身に宿れ、シャーレイ!」
すると、腕輪がバアッと光り自分の服装が変わっていく感じがした。
へぇ……こんな感じがするんだ。