第7章 Unanswered letter
そんなことない、と反論するのはやめておいた。これ以上ドラコが挑発しないように願っていると、スプラウト先生がタイミングよく来てくれた。
ハーマイオニーがマンドレイクの特徴を話したあと、耳当てをしっかり着ける。マンドレイクの苗の泣き声でも、数時間気絶するらしい。なんという植物だ。石にされたものを元に戻す力があるらしいが、かなりリスクが伴う。
まずは先生が見本を見せる。耳当ても意味が無いのでは、と思うほど強烈な泣き声。耳当て上からさらに手で耳を抑える。どさりと音を立てて倒れたのは、耳当てを着けたネビルだった。
「始めて。鉢はたくさんあります。苗をつかんで引っこ抜く!」
思いっきり抜くと、それは思ったより体が小さいマンドレイクだった。目が合うと、何故か泣き声が止む。もしかして死にかけなのでは、と思い、急いで鉢に入れ、土を被せる。隣では指を噛まれたドラコがマンドレイクと格闘していた。
『指を離して』
マンドレイクに向かって言うと、パカッと口が開く。言葉が通じたのかはわからないが、ドラコの指はなんとか開放された。
午後。大広間では、おやつを片手に各々が好きなことをしていた。ハリーは課題を、ハーマイオニーは読書を、私もハーマイオニーに勧められたかなり難しい本を読んでいる。ロンはテープをぐるぐる巻いて、杖の修理をしている。それでなおったとはとても言えないが。
「ロン、君のフクロウ?」
この時間には珍しい郵便だ。だからこそ自然とみんなの注目を浴びてしまう。派手に着地を失敗したのは、お馴染みのエロールだ。彼が運んできたのは赤い封筒の手紙──吼えメールだ。手紙を開いた瞬間、手紙はロンのお母さんの声で文章を読み上げた。かなり感情を込めて。それはそれはとても気分がいいものではなかった。
教室に入ってきた瞬間、申し訳ないがかなり引いてしまった。偉人でもないのに何故こんなに自画像が掲げられているのだろう。本人だけでも十分なのに、絵の中の彼らも胡散臭いウィンクを飛ばしてくる。隣に座るハーマイオニーが、うっとりしているが、気持ちがわからない。優雅に自慢話をしながら階段を降りてくるロックハート先生。自分が言った冗談が傑作だったようで、1人で笑っている。