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もうひとつの古傷【HP】

第6章 The decision is tonight



 ハーマイオニーもロンも軽傷は負っているが、変わりなく元気だった。あの後ハリーが、気を失った後のこと、ダンブルドア先生から聞いたことを話してくれた。賢者の石がなくなったことは喜ばしいことだが、他にもヴォルデモートが復活する方法はあるらしい。それを聞くとどんよりとした気分になるが、今はみんなが無事にここにいるだけで十分だった。

 表彰式。大広間の天井には緑色の旗が掲げられている。
 ご馳走を目の前に、3角帽を被って座る。マクゴナガル先生の合図で会場が静まり、ダンブルドア先生によって寮の表彰が始まった。グリフィンドール252点。ハッフルパフ352点。レイブンクロー426点。スリザリン472点。約半分の点差がある。グリフィンドールのみんなには申し訳ないが、失点のほとんどが私たちだ。
 「よくやった。スリザリンの諸君。だが、最近の出来事を勘定に入れねばなるまい。ここに来て得点を上げたものがおる。ミス・ハーマイオニー・グレンジャー。彼女は冷静に頭を使い、友達を危機から救った。50点。次はミスター・ロナルド・ウィーズリー。ホグワーツでも近代まれなるチェスの名試合をした、50点。そしてミス・・。魔法を使わず見事にフラッフィーを宥めた。危険な生き物に立ちはだかる勇気とその優しさに60点。4人目はミスター・ハリー・ポッター。その強靭な意志と卓越した勇気をたたえ、グリフィンドールに60点を」
 これでスリザリンと同点になった。このまま同点で終わるのかと思いきや、校長先生の言葉はさらに続いた。
 「最後に、敵に立ち向かうには勇気が必要じゃが、友に立ち向かう方が大変じゃ。その勇気に10点をネビル・ロングボトムに」
 ダンブルドア先生が両手を叩き手をかざすと、緑が赤に変わっていった。
 「グリフィンドールに優勝杯を!」
 大広間に歓声が響き渡る。そして宙を舞う黒い三角。スリザリン寮生だけが面白くなさそうに、席に座ったままだ。パーシーに頭を撫でられたり、双子に抱きしめられたり、ハーマイオニーと手を組んでジャンプしたり、喜びを一緒に共有した。

 1年が終わる。本当にいろんなことがあった。ホグワーツは私たちのもうひとつの家だ。そしてハリーたちは大切な友人であり、家族だ。

 また来年度、誰一人欠けずにここで再会することを願って。


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