第4章 Not surprised
なんとも屁理屈な話だ。確かに持ち込んだ訳ではなく、道中たまたま会っただけである。自らの意思でホグワーツに来て、私のそばにいてくれているだけ。確かに持ち込んではいない。
『……という訳で、ダンブルドア先生からお許しが出ました』
落ち着いて話は聞いてくれるが、かなり距離が空いている。まだルームメイトたちが彼に慣れるには時間がかかりそうだ。ハーマイオニーはわざとらしく大きなため息をはくが、さすがにダンブルドア先生に言われたとなれば、納得せざるを得ないのか、それ以上は何も言わず、静かにベットへと入っていった。
夜。興奮がまだ冷めない。体は疲れていても、脳が覚醒している。何度も寝返りを打つが結果はおなじ。みんな疲れて寝静まった頃、ゆっくりとベットから降りて、近くの窓の前に座る。布団の上にいた白蛇も同じように降りてきた。
『ごめんね。眠れないの』
囁くように話し、小さく微笑むと、それに応えるようにチロチロと舌を出した。
『そうだ、名前を決めないといけないね』
腕を組み小さな目を見つめるが、なかなかいい名前が出てこない。うーん、と唸っていると、小窓から冷たい風が吹き、反射的に外の景色を見る。
真っ白な月が昇っている。街灯1つないその紺色が、眩しすぎる月を強調させている。月、白、光───
『レイ……レイはどう?』
自分の中でかなりしっくりと来た名前を何度も呼ぶと、顔を上げてうんうん、と頷く白蛇…いや、もう名前がある。
『改めてよろしくね、レイ』
変身術の授業では、猫に変身する姿に感動したり、羽根ペンが使い慣れずに格闘したりした。ハリーとロンが遅刻していたが、昨日遅くまで起きていた私も、ハーマイオニーに叩き起されなければ、今頃目覚まし時計に変えられていたと思う。
魔法薬学の授業は、なんだか理科の実験のようだ。スネイプ先生は、ハリーのことが気に入らないのか、かなり厳しく指導していた。話を聞いていなかったハリーもハリーなのだろうけど、授業中話を聞いていない人なんて、故郷では大半を占めていた。
大広間で課題を進める。シェーマスが水を爆発させたあと、たくさんのフクロウが郵便を届けにやってきた。ハリーのように自分のフクロウはいないが、学校のフクロウだろうか…小柄なフクロウが課題の上に小さな紙を落として行った。叔母さんからの手紙だ。