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好きのベクトル【ヒプマイ】

第1章 序章



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中学で被害にあったなずな。
それでもしっかり勉強をして、自宅から離れた事務所近くの高校に合格、入学した。
まあ、その高校を選んだのは俺の事務所が近いからっていう不純な動機。
だからしょっちゅう学校が終わるとまっすぐ事務所に来て俺の帰りを待っている。
一度事務所内で待つように伝えたが仕事の邪魔をしたくないと却下されてしまった。
だから外で待ってるなずなを回収し家まで送り届けるまでが大体セット。
毎度毎度送り届けるもんだからあいつの親に夕食まで進められる始末。
流石に断っているけれどな。

それで、入学した高校は自由な校風らしく、制服があること以外は化粧やら髪の色やらは好きにしてもいいらしい。
中学があんなだったから高校は友人と楽しんでいるみたいで正直安心してる。
ついでにうちのチームメンバーとも仲が良いから俺を除いた3人でよく買い物にもいくらしい。
たまにガキ共が俺も誘ってくるが全く興味がない。
付き合うとしても飯くらいだ。
ガキ達の文化に興味がねぇからな。
たまに飯の後に無理やり十四となずなに引っ張っていかれるときはあるがな。
まあ毎日楽しそうで何よりだとは思う。


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