第3章 DAY 2
十二月三十一日、一年の締め括りの本日。
メッセージアプリのグループメッセージに1件の着信。
「うちの寺来いよ」
差出人は空却くん。確か年末年始はお参りの人が来るから忙しくなるって言ってたのに、と思っていれば飛び交うメッセージ。
「空却さん家行きたいっす。鐘つき出来ますか。」
「おうできるぜ。甘酒も出るみてえだから飲みに来いよ。」
「じゃあ車出すか。駐車場埋まるから早めに行くぞ。」
「はいっす。」
え、え、と思う間に話は進んでいく。
行きたい、私も行きたい。
急いで行きたい旨を打ち込めば急にかかってくる電話。 それは獄さんからで慌てて電話を取ると耳元で獄さんの声が聞こえた。
「今大丈夫か。」
「っ!はい。」
「初詣、行くんなら親御さんの許可取らねえとって思ってな。」
「そんな…大丈夫ですよ。うちの親、獄さんとって伝えれば大抵のこと大丈夫…」
「それでもだ。そういうことはきちんとしておかないとな。お前まだ学生だし。」
ああ、そうか。
学生だから。
嬉しかった気持ちが少しだけ萎む。
「わかりました。親と話してくるので一度電話切りますね。」
ぷつりと切った電話。
はあ、とため息を吐くと部屋を出る。
獄さんとのお出かけは嬉しい。
でも、やっぱり子供扱い。
私、もう18歳だよ、獄さん。
もう、子供じゃないよ。