第2章 自覚
ネクタイしてないから校門での記念撮影なんかしないし。
とりあえず日向探さねぇと。
俺はA組だったけどあいつ何組だろ?
まぁ、最初は自分の教室だな。そう思ったから母さんと別れてから教室に向かう。
「お、居んじゃん。日向ーー!」
「朔斗?」
「ネクタイやってー」
「ちょ、声でかい。なんか恥ずかしい。こっち来て!」
日向は俺に駆け寄ってきて、その勢いで俺の手首を掴むと廊下に出て、人目につかないところに連れてかれた。
「おい、なんだよ。」
「わかんないの?あんた、人を惹きつけやすいのに入学式当日から私と仲良いってバレたら、私の平穏な生活がなくなるじゃない。」
「平穏の生活?」
こいつ、何言ってんの?俺が人を惹きつけやすいってのも謎だし、なんで仲良いのがバレたら平穏じゃなくなるかもわかんねぇ。