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香るのは君のラベンダー

第2章 自覚


部屋に着き、朔斗に言われた通り窓を少し開ける。
この時期だから風も入ってきて少し涼しい。


「うーん。朔斗来るまでどうしよっか。もう着いててもいい頃合いのはずなんだけどな。」


私は朔斗に電話してみることにしたけど、出ない。そりゃそうだ。あいつは携帯が鳴っても気付かないような奴だもん。

少し部屋で暇を潰してると、外から声が聞こえた。


「日向!窓!」

「はいはーい」


私はそう返事をしてから窓を開けた。永久ちゃんと新くんが不思議そうにしてたけど無視。だって見てたらわかると思うから。

そしたら急に朔斗がお菓子を投げるもんだから避けちゃった。私がキャッチできなかったそのお菓子は後ろにいた新くんにクリーンヒット、、
ごめん、新くん。


「うぉ!え、お菓子?どこから飛んできた?え?って、朔斗!?」


そこでやっと朔斗の存在に気づく新くん。その声で永久ちゃんも気づいたみたい。

朔斗は自分の部屋の窓枠に足をかけて、こっちに飛び移ってきた。
私たちの部屋は隣で、窓もいい感じに重なってるから朔斗の運動神経なら余裕で飛び移れる。


「よっと。ほら、ジュース。家になかったから買ってきてやったんだから感謝しろよな。」

「うん、ありがとう」


朔斗が飛び移ってきたことに永久ちゃんも新くんも驚いてるけど、これはいつものことだ。慣れてもらうしかない。

その後、クラスでの体育祭練習や、応援歌や、横断幕などについて話し合いをした。
まぁ、あんまり進まなかったのだけど。
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