第2章 自覚
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入学してから早1ヶ月。もうすぐ体育祭ということで準備を始めた。
運動以外からっきしの朔斗にとって、体育祭は重大イベント。逆に運動がダメダメな私にとっては地獄でしかない。しかも、体育祭って朔斗がいつもよりカッコよく見えるから朔斗ファンが増えるイベントでもある。他学年の目にも入るし。
体育祭なんてなくなればいいのに。
いや、ダメ。朔斗が活躍するところを私まで見られなくなっちゃうのはダメ。私だってかっこいい朔斗が見たい!
そんなことを考えてたらいつの間にかHRが終わってて、黒板には、
体育祭実行委員 相島、落合、楠本、小峰
の文字。いやいやいやいや。え?嘘でしょ?
「と、永久ちゃん。あれは、一体…?」
「聞いてなかったの?誰もやりたがらないから相島くんが勝手に決めてたよ。」
「はぁ!?」
「なんか相島くんが落合くんを無理やり誘って、女子は仲良いからみたいな理由であたしたちだってさ。」
マジか。マジですか。体育祭は何もせずに後ろで小さくなってるのがいいのに実行委員だなんて無理。絶対無理!!
「もう変えられないよね?」
「変えられるわけないじゃん。あたしだって部活行けなくなるし嫌だけどさ、ちょっと楽しそうじゃん。やろうよ。」
「うぅ、永久ちゃんが言うなら仕方ないからやる。」
「よし!そうと決まれば、早速集まりあるから行こー!」