第2章 自覚
数日後、朔斗はちょっとずつだけどネクタイの結び方を覚えて来た………はず。
やり方は合ってるのにできるようにならないのはなぜなのか理解に困る。
「日向ーー!」
ほら、今日もだ。私たちの家は隣同士で、部屋の窓が面してるから部屋の中から会話ができる。だから朔斗は窓を開けて叫ぶだけで私を呼び出すんだ。朔斗が呼ぶ時間、私はもう準備は終わってるから別にいいんだけど、あいつは寝起きすぐだから寝癖がすごい。あの寝癖どうやって直すんだろ。
朝、朔斗に呼ばれる前に朔斗のお父さんが仕事に行く関係で玄関の鍵は開いてるから勝手に中に入ると着替えを終えた朔斗が待機してる。で、ネクタイを結んであげる。
なんなのこれ。朝から会えるし、寝癖とか無防備な姿見れるのは嬉しいんだけど、私お母さん?
「はい、できた。じゃあ私行くね。遅刻しないように。」
「おぉ。ありがとな。またあとで。」
私は手を振って外に出る。てか、まだ始まってないけど、あの状態で体育の時とかはどうするつもりなんだろ。
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この日は部活動のガイダンスの日。うちの学校は部活動が活発で、たくさんの部活がある。だから一日中部活のガイダンス。それもどうなんだろう。別に吹部以外興味ないんだけど。てかさ、バスケ部あるのになんでバスケ同好会があんの?なにが違うの?謎。
しかも、吹奏楽部と管弦楽部両方あるし。
全てのガイダンスを終えて、私は永久ちゃんと吹奏楽部のブースである音楽室に行った。