第2章 自覚
「入部希望者?」
「あ、はい。」
「お、それはフルートとサックスかな?」
ネクタイの色的に3年生の先輩に声をかけられた。私たちは自分の楽器を持ってたからすぐに分かったのだと思う。
「ちょっと待ってね。莉沙ー!瑛人ー!フルートとサックス!」
その先輩は奥の方にいた男女1人ずつを呼んだ。
「おぉーー!来てくれたー!先輩が卒業してすくなくなったから嬉しい!」
「こっちもアルト少なくて。1年来てくれんのマジ嬉しい!」
吹奏楽特有の、楽器で来て欲しい人数の差があるからフルートとサックスは良かったらしい。
「私、2年フルートパート、山中莉沙(やまなかりさ)です。」
「俺、2年サックスパート、島田瑛人(しまだえいと)でーす。ちなみに、ソプラノからバリまで全部いける。」
ソプラノからバリとは、1番高い音域のソプラノサックスからアルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス全て吹けるの意味。
「私もピッコロいけまーす。」
先輩たちはすごくいい人みたい。吹奏楽部って特有のノリみたいなのもあるけど、それも楽しみの1つなんだよね。
私たちも自己紹介。普通は初心者の部活体験とかするらしいんだけど、私たちは経験者だから今練習してる曲の楽譜をもらった。
他の1年があんまりいなかったから先輩たちと一緒に練習した。