第2章 お酒
昼はパスタにしようかな
そんなことを思いながら店内をうろつく。
買うわけでは無いが旬の食材やその日のお買い得品を物色するのが好きだったりする。
しかも今日は時間に余裕がある。
パスタに必要な食材を一通りカゴに入れ、レジに足を向けたところでふとお酒売り場が視界に入った。
頭に安室さんが浮かんだ。
彼はたまに夜中に1人でお酒を飲んでいたりする。
その時はいつも窓の外を少し切なそうに見ている。
一緒に飲みますか?と尋ねられたこともあるが私はそこまでお酒は強くないし、どうやら彼の飲んでいるお酒は度数が高いようなのでお断りした。
買っていってあげようかな
そう思うも彼の好みがわからない。お酒って結構こだわりが強い人もいるし、勝手に選んでしまってはかえって悪いだろうか。
通路の真ん中でお酒売り場を見つめて突っ立っていたのでこれではレジへ行く人の邪魔になると思い先程まで見ていた場所へと向かう。
いっぱいあるけど全然わかんないな
自分でお酒を買うことなんてあまりないし、飲むにしても缶チューハイぐらいだ。ボトルに入ったのなんて買ったことがない。
確か彼はいつもスコッチウイスキーを飲んでいた気がする
ボトルのラベルに「スコッチ」と書かれたお酒を探す。見つけたはいいものののスコッチにもたくさん種類があって何がなんだかわからない。
他のは何があるんだろう。普段見ないものなのでつい興味津々にお酒コーナーをうろうろしていた。