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恋と麻薬【名探偵コナン】

第6章 従順※


「こんな時間になんの用なんでしょうね…」

沖矢さんはそう呟く。

その間にも私の手の中のスマホは震えたまま。




「多分、この前ポアロに忘れ物してきちゃったから…」
「ならメールでもいいのではないですか?」
「仕事の書類だったのでわざわざ電話してくれたのかもしれません」
「そうですか…」


沖矢さんが納得してくれたと思った時、スマホの震えが止まった。



なんの用だったんだろう


彼から電話してくるなんて珍しい



「あ、ではここで降りますね。本当に色々ありがとうございました。今までのお礼はまた今度」
「はい、今度は是非私の家にも遊びに来てください」
「じゃあお礼はその時に、おやすみなさい」
「おやすみなさい」

私は沖矢さんの車を降りた。
しばらく歩いて車が遠ざかっていく音が聞こえた。
















今はすでに11時を過ぎている。

安室さんは今日も家に帰ってきていないのだろうか。
正直今は顔を見れそうになかった。
いくら助けと言っても他の人とキスしてしまった後だったから。





エレベーターで部屋の階まで上がる。
なるべく音を立てないようにゆっくりと扉を開けた。














「おかえりなさい、カホさん」







「あ…、安室さん」



「遅かったですね、パーティーでしたっけ。随分と長く楽しんでおられたんですね」


「そう…ですね」


扉を開けるとそこには安室さんが立っていた。

いつものように笑っておかえりなさい、と言ってくれる。


でもなんだか今日は、


いつもと少し雰囲気が違う気がした。




久しぶりに会ったからなのか



でもそんなことよりも今はあまり彼と話したくなかった。
いや、話せなかった。



彼の前を通り過ぎて自分の部屋に戻ろうとする。





「…やっぱり、そのドレスよく似合ってますね、」
「ありがとうございます…」



それだけ言ってドアノブに手をかけようとした。










やっぱり…?













彼のさっきの言葉に疑問を抱き彼に尋ねようと思った時、後ろから腕をひっぱられ気づいた時には彼に唇を奪われていた。












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