第17章 重なる※
カホの身体はビクビクと震え敏感になっていた。
沖矢に少し触られただけでもそこから熱が伝わってきた。
沖矢はカホの勃ち上がった乳首に口付ける。
「んっ…」
固く膨れたそれは沖矢の口の中で転がされた。
柔らかい舌先が乳首を何度もなぞって、ゾクゾクと快感が押し寄せる。
「あっ…んんっ…」
「部屋で触っていた時も固くなってましたよ」
カホのココ、と乳首をキュッと摘まれる。
「はぁっ…ん…」
「感じていたんですか?私はただ洗ってただけなのに、」
「だって、…昴さん…触り方が…」
「私は綺麗にしようと入念に洗ってただけですよ」
「そんなわけ…んっ」
沖矢はカホの口を自分ので塞いだ。
「んんっ…」
沖矢の唇とカホの唇がぴったりと重なる。
上唇を甘噛みして沖矢は彼女の唇の形を味わう。
カホの口がこじ開けられて沖矢の舌が口内に侵入してくるのにそう時間はかからなかった。
私、昴さんと…
カホは沖矢からのキスを受け入れながらも、ぼーっとした頭で考えていた。
私は昴さんを受け入れてしまっている
さっきだってちゃんと抵抗もせずに昴さんの手で…感じて、
今だって口内にあるのは彼の舌で
いいの、
こんな簡単に流されて
好きな人がいながら別の男の人に抱かれようとしてるなんて
最低じゃないの、私
カホは自分の舌に絡まる沖矢の舌の感触を感じながらも自分の中にいる愚かな存在に嫌悪感を感じた。
「何を考えていているんですか」
ふと自分の唇から気配が消える。
聞こえた声は普段より少し低かった。
目の前の昴さんは、いつもの優しい昴さんではなくて、
なんだか少し不服そうな表情をしていた。
どうしてそんな顔をしてるの
「私とキスしている間、カホさん別の事考えていましたよね」
「あれは…」
「そんな余裕があるんですね…」
そう言った彼は薄らと目を開いた。
グリーンの目が、私を捉える。
その目…
私はその目に見覚えがあった。
忘れるはずの無い、その色の瞳を。
カホはその時、沖矢と"彼"が重なって見えた。
昴さんは"彼"じゃない
そんなの分かってるのに
まるで"彼"に見られてるかのような、
そんな感じがした。