第12章 抑制※
「ここ、さっきよりも濡れてますけど」
俺は愛液を指ですくって彼女の前に見せる。
カホはまた顔を赤らめて首を横に振った。
俺はその指をそのまま口に含んだ。
彼女の愛液で濡れた指を舌で舐めた。
普段は絶対にしない行為。
彼女の愛液は甘く感じた。
ここまで来ると自分は可笑しいのだろうと笑えてきた。
自分の唾液で濡れた指を笑って彼女の前に差し出す。
「舐めます?」
俺自身もうどうかしていた。
彼女に引かれるとか、そんなことは考えてなかった。
彼女は舌を前に出して俺の指を、舐めた。
俺は彼女の口内へ指を入れる。
彼女はもっと積極的に指を舐め始めた。
根元まで含んで舌先で舐め回す。
何か美味しそうな物でも咥えるように、目を瞑ってその行為を続けた。
ゾクゾクと身体の芯から込み上げる何か。
彼女の口から引き抜いた指は彼女と銀の糸を結んでいた。
「さっきので満足できていなかったんですよね?ごめんなさい、気づいてあげられなくて」
彼女は俺の目を見つめる。
普段の遠慮しがちの彼女ではなく、何かを求めるように欲情している彼女の瞳。
「何をして欲しいのか、ちゃんと言えたらしてあげますよ」
ここに、と俺は陰部をスっと指で撫でる。
「あっ…」
彼女は目を潤ませて俺の方を見る。
言えない、とばかりの苦しそうな表現。
そんなのもっと言わせたくなるだけだろ
「別にいいんですよ?してほしくなかったら。でもカホさんのここはさっきからびしょびしょになってるんですけどね…」
俺は割れ目を上からなぞる。
クチャクチャと愛液が音をたてている。
「んん…」
彼女は口を閉じながらもくぐもった声を漏らす。
言えよ、欲しいって
いつも強がりな彼女
その表情を崩しているのは自分
そんな彼女に今は自分が欲しいと言わせようとしている
はやく…
俺は指の動きを止めた。
「カホさんが望まないなら、それは仕方ないですね」
俺はベッドから離れようとする。
「…い」
彼女が小さな声で呟く。
「なんですか?小さくて聞こえませんでした」
「欲しい…す…むろ…さんの」
「はっきり言ってくれないと分かりませんよ」
「欲しいの…!安室さんのが…!」
ああ、本当に
可愛い