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恋と麻薬【名探偵コナン】

第12章 抑制※


「バーボン、てめぇまだ終わんねぇのか」
「そんなに言うなら自分でやったらどうですか」

今日は組織での自分の仕事が終わり帰ろうとしたところをジンに呼び止められた。

なんですか、と部屋に入ると書類を整理してパソコンに入力しろ、とのことだった。

自分でやれ、とは思いつつも反論しすぎるとNOCかとしつこく聞かれるので嫌々今の作業を続けている。

「終わりましたよ」
「ちっ、遅せぇ」

ジンは煙草を咥えながら俺の入力した内容を確認する。

感謝ぐらいしろよ


一通り確認し終えたのか、俺の方を向いてさっさと出てけ、と言った。

なんなんだほんとに


「先に失礼します」
俺は部屋を出て駐車場へと向かう。





気づけば時刻は21時を過ぎていた。

今日はカホと一緒に食事を取れなかったな

組織の任務は呼び出されるのが不定期だ。
だから急に家に帰れなくなる事がよくある。

本当はすぐにでも帰ってカホに会いたいのに


俺は少し急ぎめに家へと車を走らせた。





扉の前に着いて扉の鍵を開ける。

─ガチャ─



俺は扉を開けてすぐに違和感に気づいた。


電気が着いてない…


家の中は真っ暗でこの時間に明かりがついていないのはどう考えても不自然だ。


カホは、帰ってきてないのか?


だとしたら連絡の1つでもしてくるはずだ。
メールには何にも入っていなかった。


玄関を見てもいつも彼女が職場へと履いていく靴はなかった。


何かあったのか


俺は嫌な胸騒ぎを覚えた。

彼女が事件にでも巻き込まれていないか、事故に遭ってないか。


俺は彼女の携帯に電話をかける。
しかし携帯から聞こえるのは永遠に続く呼出音だけだった。


どこにいるんだ

俺は携帯をぐっと握りしめた。


家の中へ入ってもリビングにも部屋にも彼女の姿はなかった。
1度帰ってきた形跡もなかった。


今までこんなことはなかったはず

大抵彼女は俺よりも早く家にいたし、会社で飲み会などがある時はちゃんと連絡をよこしていた。


彼女にはなるべく普通の生活をさせてあげたかった。
だからGPSなどは付けていなかったのだ。

しかし今となっては付けておくべきだったかと後悔する。


部屋の中でどうしようかと考えていた時、玄関の外に人の気配がした。


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