第15章 寂しさ
布団が敷かれていて、さあいざ寝ようと言うときになって、私は少しだけ落ち着いた。
「あの」
私が話しかけると、三人とも顔を向けてくれた。
「………その、えーと…ちょっと、実弥とのわりと深刻な話…があるんですけど…相談しても…」
いいですか、という前に須磨さんがバッ、と私の真ん前に正座した。
「いいよ!!」
「アホか」
しかしまきをさんに小突かれて泣いた。
「はあ、深刻な話なのにそれはないでしょうが…。ごめんね、ちゃん」
「ごめんなしゃい…」
「あ、いえ、全然」
私はその姿に苦笑した。
「今まで、誰かに相談したことなくて…。私も色々考えてるんですけど、どうにもならなくて、そろそろ限界を感じているんです。」
「……それはどういう…。」
「実弥との関係、です。」
私が言うと、三人とも驚いていた。
ああ、やっぱり、誰一人として気づいていなかったんだ。
「ちゃん、何があったの?」
「……」
私は少し黙り込んでから、ゆっくりと息を吸い込んでから吐き出した。
「実弥のプロポーズ、断ったんです。」
「プロポーズ…って…」
「……結婚の…」
三人が悲鳴をあげる。
別に怖いわけでも何でもない。歓声に近い。
ちなみに、令和ではもちろん一夫多妻制だなんて認められていないので、宇随家は結婚しない。あと、子供もいない…。それも認められないから。
けれど、みんなそれを承知で一緒にいるのだから、とっても仲良し。お嫁さん通しでも喧嘩なし。
それなのに。
それなのに、たった二人の私達は。
「それっていつなの?」
「…一年前です。」
私はその時のことを思い出しながら、言葉を口にした。