第33章 風邪
『なあ、来週の連休の日曜日空けとけよ。』
『ええ、何かするの?』
私がキョトンとして聞くと、いいからあけろの一点張りだった。何なの?亭主関白なの??
と、まあ、そんなことを晩ご飯の時に言ってくることとか。
実弥がおかしい。
同棲していると我慢できない悩みがいくつかある。
そのうちの一つが今で。
「……やっと寝た。」
実弥がすうすう寝ている。
ぎゅーと後ろから抱きついてくるのが小動物みたいで何だか可愛いけど。
(何でお腹触ってくんの_______?)
くっつくと高確率でお腹を触ってくる。
後ろから回ってきている手がお腹にぴったりと添えられている。
まあ最初の頃は気にしていなかったけどだんだんわからなくなってきた。
やめろと何回も言っているのだが、全然直らない。
思えば、ずーっとこの関係って続いてるなぁ。
いつ終わるんだろ~とかたまに思っていたけど、終わる気配はない。ゴール?みたいなのってあるのかな。それが結婚なら、一生終わらないんだろうなぁ、私達。
すぐ離れようと思えば離れられる関係って、なかなかドライだけど。
実弥はそれを繋ぎ止めようとしているのが何となく伝わってくるんだけど。
最近どうもおかしい。
寝室はなくて良いと言いきったのは実弥なのに、何でか自分の部屋に私をよく連れ込んで一緒に寝ることが増えてきた。
それに私が飽きてしまって夜な夜な起きて、自分の部屋に戻って寝ることがあるけれど、朝起きたら私の隣に実弥がいた時は悲鳴をあげた。
何だか無理に一緒にいようとしてないか。
あとお腹を触ってくるのも猛烈にやめて欲しい。