第31章 風柱
怒られた。
何で追いかけた、何で連絡しない、何で持ち物落とす、スマホを落とすな危ねェ、狭いところに行ってるのわかって追いかけるんじゃねェ、二度とすんな、二度とすんな二度とすんな……
まだまだあるけどとりあえずこんなもんかな、整理すると…。100%私が悪いので言い返さない。誠に申し訳ございませんでした。
今日は布団の中で実弥がぴったりくっついて離れない。珍しい。いつも私がくっついたら嫌がるのに。
「で、霞柱様は岩柱様と何だって?」
実弥がぎゅっと私の手を握りしめて言う。
「……さあ…」
「あァ?」
何よりもさっきからこれに不機嫌なんだよね。
「実弥だって粂野さんのこと私に言わなかったんだから、お互い様でしょ。」
「……それは」
「はいこの話おしまい。」
私がそう言って目を閉じた。
「あーそうだ。」
私は目を閉じたまま言った。
「覚えてないって言ったけど、怪我人を蝶屋敷に連れていった時に、粂野さん…いた気がする」
「………」
実弥は黙ったままだった。けれど、ぎゅっとまた手を握ってきた。
「思えば、お前と悲鳴嶼さんってよく一緒にいたよな」
「……ノーコメント」
すると、実弥はまたどうだったんだとか聞いてくるので、また私は困ってしまった。