リセット~running start again~
第14章 トラブル
とある日。
ムサと神童が行方不明になったと大騒ぎとなったアオタケ一同。
その時何やらの叫び声が聞こえて来て・・・
猛ダッシュで二人は戻ってきた。
ムサ「なんと!東体大が同じ場所で!合宿をしているヨウデス。わたしは見ましたよ。あれは、和牛デシタ」
神童「ムサは目がいいもんね」
ジョージ・ジョータ「それに比べて俺たちは・・・」
「何?文句でもありますの?私が作った夕飯にケチをつける気??」と圧力をかける。
大雑把に作られた料理。
味は悪くはないが旨くもない。
至って素朴で普通の料理である。
食べ盛りの選手にはもの足らないか?という感じ。
走「俺は好みですけど」とボソッと言って黙々と食べている。
ユキ「健康的か」
キング「ちともの足らない気もする」
と楽しい?夕飯が終わる。
ちょっと料理が苦手なちゃんでした。
翌日。湖畔の周りを走っていたアオタケ一同。
そこに東体大の3人組がおり、中には赤髪くせ毛の榊という男もいる。
どうやら走と揉めているようだ。
その様子を自転車で後ろから追いかける・・・置いていかれた私は遠目からそれが分かった。
坂道がキツいんだって。
(ちょっと良くない感じだわ。急ごう。)
殴りかかる寸前で清瀬が止めたようだ。
キィと自転車を止めた私はことが収まるところであった。
榊「まぁ、せいぜい頑張ってくださいよ」
一同「・・・」
「あのさ、榊くん。」
と呼び掛けに、榊らは振り返る。
「あなたたちが真剣に箱根駅伝を目指して走り続けているように、寛政大の私たちも同じように真剣に走りに向き合っていますよ。経験値は埋まらないのも事実で、それらを身をもって知った上で毎日毎日走っているの。プレッシャーのベクトルは確かに違うと思う。蔵原くんとの過去に何があったか分からないけど、真剣に向き合っている人をバカにしないで。」
呆気に取られて、舌打ちを打って彼らは去った。
少しの静寂後に私はハッとなった。