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リセット~running start again~

第8章 過去


それが仇となったのはマネージャーになって1年ほどしてからだ。

マネージャーとして能力が上がっていくのを面白く思わない人たちも、マネージャーサイドと選手サイドから出た。
女の妬みや嫉みは怖いもの。
選手サイドは、監督ならまだしも、同じ学生からは言われたくないはずだ。

練習に決してケチをつけたわけではない。
ただ、見ていて気になることを伝えただけ。
根拠をもって説明するも無視されるようになった。同じことを監督が言うと素直に聞く。

そして、部活動の影響は学校生活にも及ぼすようになった。
部内での顧問や監督にバレないようにやる姑息なイジメ。それはクラスでも陰湿なイジメへと繋がった。

最初は、頑張った。
純粋に陸上が大好きだったから。
部員の人たちも好きだったし。
嫌がらせされても坦々と仕事していた。
授業にも出た。

家で一人になったときに、見えないところで泣いた。
学校で人と話すときは、何か言われても涙を瞳にいっぱい溜めてこぼさないようにした。
泣いても何も変わらないし。
いつか理解を得られる・・・とか、
どうしていいか分からなくて、内申のこともあるし学校も休めないし・・・で必死に毎日通った。

藤岡くんと清瀬くんは変わらずに接してくれた唯一の人たちであった。

無視、陰口、ハブられる。
私物を盗み、傷つけられる・・・
それが1年近く続くと心が悲鳴をあげる。
ある日突然、学校の門の前で足がすくんで動けなかった。涙が出た。気分も悪くなった。
足は勝手に帰路についていた。

その日、初めて家族に話した。
泣きながら。両親は黙って話を聞いた。
母は抱き締めてくれた。

夜、家族で話し合った。

もう、これ以上は通わない方がいい。
私自身も陸上は嫌になっていた。
もう2度とやるものかと。

話し合いの末、
関東に住む兄のところから学校へ通うことになった。
じいちゃんも近くにいるようだし。
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