【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第12章 隊服って…こんなんだっけ?
そして、兄は帰るらしく別れの挨拶をして見送った。
しばらくして入れ替わりに不死川さんがきた。
兄のことを尋ねられたので先に帰ったと返したところだ。
実弥
「…ありがたく受け取れェ」
またまたそっぽを向いて耳が赤い不死川さんから渡されたのは髪を結ぶ紐だ。
結衣
『ありがとうございます!!』
紐だけじゃなくて、赤い牡丹の花が装飾に着いている。
言っちゃなんだがめっちゃ高そう。
この大正に置いては私は姉のお下がりの髪紐を使っていたのだ。高すぎて買うのにとても勇気がいるし、何より高すぎる。
その理由もあるが何よりあの不死川さんが贈り物をしてくださるなんて、きっと驕りじゃなくて私に少しでも気を許してくれてる証拠だと思う。
店主
「あ、嬢ちゃんあんちゃんが買った靴下履いてるんだな!それに紐貰ってんのか!どうだ?くしを貸してやろう!つけてみなさい」
そう声をかけてくれたのは先程の店主さん。
ご好意に甘え、くしを貸してもらってせっかくの牡丹の花の飾りが映えるように普段は下の方で括っているが、ポニーテールにしてみた。
結衣
『…どうです?』
店主
「嬢ちゃんべっぴんさんだもんなぁ!飾りでよりいっそう美人さんになった!」
なんかこの人調子いい人だな!!お世辞上手いし!
結衣
『て、照れますね。でも私は別に美人じゃ』
店主
「いーや、嬢ちゃんかなりの美人さんだ!おら、あんちゃん!なんかないのかい?」
そう感想を催促された不死川さん。私も気になる。
実弥
「まあ、馬子にも衣装ってやつだなァ」
ひどっ…。まあ、恥ずかしいのは分かりますけど、似合ってるってことでいいですよね?
結衣
『…ふふっ。ありがとうございます。』
店主
「…あんちゃん、この嬢ちゃんじゃなかったらそりゃ怒られてるぜぇ。」
実弥
「うっせぇやィ。おィ、行くぞォ」
耳の赤い不死川さんを見て私もどことなく歯がゆくなったが
結衣
『待ってください!』
今はむしろ頼りがいしか感じない殺の文字を追いかけた。
______________________
ちなみに、兄から貰った入隊祝いは綺麗な羽織だ。柄は白地で下半分から段々と紺色になって行く下地に、雪のような白い細かい模様が綺麗に描かれたもので、生地が上質でとても高そうな羽織だ。