【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第10章 分岐点
私は水の呼吸に適性があるのに……はずなのに。
どうして、兄のように出来ないのだろうか?
兄妹なのに私は1日に2度同じ技は使えない……。
結衣
『……こんなんで鬼狩りなんて出来んのかな……』
錆兎
「珍しいな、結衣が弱音なんて」
結衣
『……錆兎っ!?』
錆兎
「盗み聞きする気はなかったんだ、悪いな。……それで、何か不安なことでもあるのか?」
結衣
『……私ってやっぱり才能なかったのかなって。1日に2度同じ技は使えないし……』
錆兎
「……確かに、それは大きな痛手だろうな。でも、才能がないのは違うと思う」
結衣
『……どうして?』
錆兎
「鱗滝さんが仰っていた。義勇も結衣も間違いなく才能があると。特に結衣、お前はどの技も吸収が早く技の上達も早い。1日に一度しか練習が出来ないのに明らかに上達速度が早い、と」
結衣
『……鱗滝さんが……?』
錆兎
「それに、俺もお前に時々嫉妬するぐらい才能があると思う」
そう、なのか……。
結衣
『だったら、嬉しいなぁ。もっと頑張る!』
そう微笑んだら、錆兎も微笑んでくれた。
心地いい感覚……。
自分の小さな息遣いを感じて、体がポカポカしてきたの。
……これって……。
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義勇side
最近は結衣の練習量が明らかに増えたと思う。
肺を鍛えて、鍛えて、身体も鍛えて鍛えて……。
それに俺も錆兎も少し焦りを感じて、みんなで切磋琢磨した。
それともうひとつ明らかに変わったのは……。
結衣は錆兎の話を良くする気がする。
そして目で追ってる気がする。
鱗滝さんが言ってた……「そりゃあ、義勇。結衣も女の子だ。恋ぐらいするだろう」と。
結衣の初恋……?
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結衣side
……最近お兄ちゃんからの視線が痛い。
あとついでに鱗滝さんからの視線も痛い。
……なんなんだみんなして。