【鬼滅の刃】【不死川実弥】だからこそと言えるように
第4章 兄
あれから、何日経ったのだろう。
未だにお兄ちゃんと私は空元気を振りかざし合う。
お互いがお互いを分かり合うために……。
どんどんと沼の底に沈んでいくような気持ちになる。
"……だから……ぎゆ……"
?なんの話しだろう?
聞き耳を立ててみよう。
『……!?』
"あの子は正気だとは思わないわ!鬼が出たですって?姉が亡くなり気が動転してるのよ!医者に見てもらいましょう!?"
あの子……。
鬼……。
あの日聞いた、あの事だ。
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お兄ちゃんがいないと寂しいもので、私はお兄ちゃんを探していた。
義勇
「だから!!蔦子ねぇさんは!僕らを庇って鬼に食われたんだ……!!信じてください!!」
鬼?鬼……。
その時ハッとした。
そうだ、私は転生してきたんだ……。
〘鬼滅の刃〙に……。
最近記憶の交錯があったのなんなのか、私は冨岡結衣として定着してしまっている。精神年齢もある程度修正されているんだろう。記憶が飛んだのもきっとこれのため。
都合よくそんなこと……。いや、むしろ都合が悪くなるから消されたんだろう。
義勇
「!!……結衣?聞いていたのか!?」
驚く程に悲しみの色。憎しみの色。怒りの色。
あぁ、本当にこの世界は……。
あんなにも頑張っていた姉から、こんなにも頑張っている兄から……。
人の幸せを奪っていく。
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ガタンッ!!
私は勢いよくおばさんに掴みかかろうとしたが、さすがに2歳の体。
叶わず、手前で転げてしまった。
『お兄ちゃんは嘘つかない!!鬼がお姉ちゃんを食べた!!お姉ちゃんを……ゴホッ……お、ねぇちゃ……う"ぅ"…』
涙が頬をつたう。
あぁ、失敗した。余計なことをしてより事態を深刻に……。
兄を連れていかないように説得しようとしたが
今はどうだ?私にも同情の視線が送られる。
哀れみの色。それをいつまで誰からあと何回見ればいいの?