第2章 honey.2
「っ、背中に触んな…!」
「ああ、背中弱いんだ?」
そのまま背中に指先を這わしていく歩の瞳に微かに浮かぶ怒りの色。
なんだ…?
ぐっと眉を寄せた歩の不機嫌そうな顔から目がそらせないでいると、距離が一層近づいた。
「おい、近い!」
慌てて離れようとするも、首筋を掠った吐息に体が熱を持つ。
彰のときは粟立ったその刺激が歩からだと気持ちいいものに変換されてしまう。
なんなんだよ…。
「真澄…」
こんな風に反応してしまう自分が情けない。
耳元で囁かれた言葉が欲情を煽る。
「あ、ゆむ…」
ここは学校で。
俺達は兄妹で。
こんな行為、していい訳ないのに…。