第2章 honey.2
だんっと壁に押し付けられるような形になり、驚きながらも俺を掴んでいる人物を確かめようと目を開く。
「びっくりした?」
……まじ、か。
目の前にいたのは、俺の妹。
「…歩」
「朝ぶりだね、真澄!」
ニコニコと笑顔を振りまく歩は項垂れる俺を見て、楽しそうにするだけだった。
「お前、いつ合格したんだ?」
制服に身を包んだ歩はどっからどうみても女の子そのもので。
間近に見ればみるほど、そこらへんにいる女の子よりも可愛い。
「昨日電話があったの。真澄を驚かせたくて」
ヒラヒラとしたスカートを見せつけるようにした歩。
学校はこいつが男だって知って女の制服を渡したのか?