第2章 honey.2
視線は女子生徒に釘付けのまま、後ろ手で俺の頭をぺしぺしと叩く。
「いてぇよ!」
「ほら、早く見ろって!!」
手を払われても興奮が収まらない彰に渋々俺も重い腰を上げて下を見る。
「どれだよ」
「あれあれ!あのツインテールちゃんだよっ!!」
沢山の生徒が登校する中に目を凝らす。
彰の指先を辿ると確かにツインテールの女子生徒がいた。
茶色い髪の毛を太陽の光に反射させて歩く女子生徒。
膝上のスカートをふわふわと揺らすその姿はまるで…。
「…やべ、俺のマイエンジェ…」
「歩…」
「はあっ?!!」
うっとりとした顔で今時気持ち悪いセリフを口にする彰の隣で妹の名前を口にする。
一気に夢を砕かれた男の叫びも無視して、俺は柵にしがみつくようにしてその姿を凝視した。