第15章 【特別編】甘え日和。
「はっあ…もっ…むりっ…」
「もう?」
ぞくぞくと震え、体に力が入らない。
普段の俺がこんな往来でこんな行為を行うことは無いはずなのに…どうして歯止めが効かないのか。
そんな事を頭で考えながら俺は熱を吐き出した。
歩もその後に熱を吐き出し、俺達は脱力するように互いにもたれ掛かった。
幸いにも最中に人が通ることはなく、それにほっと俺は胸を撫で下ろした。
夕日に照らされた道に、歩を背負って歩いていく俺の影が長く伸びている。
…俺何やってんだ…。
後悔の念に苛まれながらもゆっくりと歩いていく俺の背中の上で、歩は楽しそうに頭を摺り寄せていた。
なんで理性が効かなかったんだろうか。
しかも自分から求めてしまうような行動をとってしまうなんて…。
はあ、とため息を落とす俺とは正反対に笑顔を浮かべていた歩が、ボソッと口を開いた。