第13章 【番外編】遠い記憶のその先に。
「真澄ーっ!!!」
「うおっ?!」
ボスっとベッドにダイブした俺の姿を確認してから大袈裟なため息を吐く真澄の髪には寝癖がついている。
「早く起きないと遅刻しちゃうよ?」
「…別にいい」
真澄は遅刻して行く、と続けるともぞもぞと布団の中に潜った。
…が。
上に乗っている俺がそれを許す訳は無い。
「まーすーみぃーっ!」
真澄の上に乗ったままゴロゴロと体を動かすと、ぐえっとくぐもった声が布団の中から聞こえる。
「わーった!わかったから!!」
やがて俺に根負けした真澄が布団の中から顔を出した。
それを確認してから、俺はのそっと真澄の上からどいてあげる。
「…はぁ」
「おはよ、真澄」
ボリボリと頭を掻いてあくびを噛み殺した真澄がギロリとこちらを睨んだ。