第12章 【番外編】君の隣で。
数十分前の記憶を思い出して閉じた目をゆっくり開くと、そこにはまだすやすやと寝息を立てているまっすんがいた。
妹くんに横取りされるのはちょっと癪に触るけど…。
まっすんがそれでいいなら。
「俺はいつだってまっすんの味方だよ」
そっと耳元で呟くと、吐息がかかったくすぐったさに気づいたまっすんが、ゆっくりとまぶたを開けた。
まだ寝ぼけている瞳がとろんと俺の姿をそれに写す。
「……彰?」
もそもそと布団の中で動くまっすんが、俺の目元を指先でなぞった。
「泣いてんのか…?」
「…泣いてないよ」
ふっと笑みをこぼして答えを返すと俺の目元を撫でていたまっすんの指先が布団の中に戻っていく。
「お前、昔と同んなじ顔してる」