第11章 honey.11
「あっ!…んっ、ふ…」
ガクガクと俺の足が快感に震える。
もっと深く、深くへと指を進めていく歩の指を必死に受け入れた。
「そう。力抜いて…」
にちゅっと音を立てて指を増やされ、また俺は絶頂まで誘われる。
それを悟った歩は指を一旦ずるっと引き抜く。
「ぁっ…?」
いきなり勢い良く引き抜かれ、俺の口からは情けない声が零れた。
「俺に触れられて…イきそうになってるでしょ?」
すでにまたそそり立っている俺のそれをくいっと指先で触った歩がニヒルな笑みを浮かべる。
すべてを見透かしているといいたげな歩の表情。
だから絶対言ってなんてやらない。
「好き」の2文字なんて…。
その言葉を飲み込む代わりに俺は口を開いた。
「お前なんか大っ嫌いだ…」
「俺も好き」
「俺も」…なんて、バカじゃねぇのか。
正反対の天邪鬼な言葉。
そんな俺の言葉を分かっているとでもいいたげな、この生意気な妹がムカつくんだ。