第11章 honey.11
「ちょっ、ちょっと待て!」
慌てて歩の手を掴んで行為をやめさせるが、当の本人は意味がわからないのかコテンと首を傾げる。
「…何?」
何じゃなくそれは俺の台詞だと目で訴えると、歩はああ…と呟いて自分のネクタイをしゅるっと解いた。
ぐっと見えた首筋とはだけた胸元にドキッと心臓が音を立てる。
って…はあ?!
「おいっ!」
歩の行動に理解出来ない俺は声を荒げた。
「真澄って手首拘束されるの好きだよね?
痛い方が好み?」
「んなわけあるか!さっさとはずせ!」
何を思ったのか、歩は解いたネクタイを俺の両手首に巻きつけるときゅっとそれを結ぶ。
「…っ、ぃた…!」
手首を滑るネクタイが、変態教師にやられた所と同じ場所を擦り、ピリッとした痛みが走る。
「…やっぱり。痛いのが好きなんだよね?真澄…」
にっと笑う歩は腰を屈めるとペロッと俺の首筋を舐めた。