第10章 honey.10
体が揺れる。
物理的に俺の中を広げていく指先。
最初よりもいくらか柔らかくなり、広がったそこに指を足し、さらに広げていく変態教師。
「っや、あっ!んぅっ…ひっ、ゃあ!!」
「慣らしておかないと痛いからね」
そんなことは聞いてない。
早く抜いて欲しいのに、与えられる刺激に声が漏れ言葉にならなかった。
くっそ…いつも通りだと思ったから!
いつも通りだと思ったから、後ろ手に縛られても抵抗しなかった。
あの時の自分をぶん殴ってやりたい衝動に駆られながら、どうにか逃れられないかと必死に手首を動かす。
絶対に嫌だ。
こいつと最後までやるなんて!
死んでもお断りだときつく縛られてた手首を動かすが、巻きついているネクタイが解ける気配はまるでない。
動かす度にネクタイが擦れ、肌に食い込む。
ヒリヒリとした痛み。
そんな痛みも今はどうでも良かった。
早く解かなければ。
その思いだけが俺の頭を支配し焦らせる。