第8章 honey.8
帰るか…。
LINEのアプリを開くと、彰からメッセージが届いていてそれを開く。
『学校めんどいから先に帰るね☆
今日の夜何か食べたい物とかある?』
ウサギがぺろっと舌を出しているムカつくスタンプと共に送られて来ていたメッセージ。
「飯か…」
昼ご飯は食べてなかったはずだが、何故か空腹を感じていない腹を撫でて、俺は簡潔に返答を送った。
『なんでもいい』
そのあと適当に携帯をいじり、俺は一息つくとソファーから立ち上がった。
ズキンッ…!!
その拍子に鋭い痛みが頭に走り、俺は顔を歪めて壁に手を当てた。
「…っ…」
立ちくらみか…?
ぐらぐらと揺れる視界に違和感を覚え、体に力を入れた瞬間…グラッと世界が傾いた。
「?!」
伸ばした手が何かを掴む前により先に、俺の体はソファーに思いっきり叩きつけられるように倒れた。
鈍い痛みが全身に走り、力が抜ける。
乱れている自分の息と体のダルさ、頭の痛み。
あぁ…風邪、引い…。
そのまま意識を失うようにした俺の腕がソファーから滑り落ちた。