第7章 honey.7
外に彰と子猫を待たせている。
階段を駆け上がって部屋に入った俺は数日分の衣服を適当に見繕って、準備を進めていく。
……ちゃんと食ってんのか?
気になったのは全く生活感が無かったキッチンの様子。
生ゴミも出てなかったし、冷蔵庫の食材が減っている様子も無い。
2人で住むようになっていつも手の凝った料理を作ってくれていた歩。
作るのがめんどくなって外食などで済ませているのかも知れない。
「……はぁ」
何故、こんなに気になるのか。
あんなことをされて尚…。
俺はあいつが気になるのか。
バカバカしい。
あの時の歩の感触を思い出そうとする体を無視して、準備が整ったカバンを肩にしょった。