第5章 honey.5
「あっ、あぁ…ぅんっ!」
ぐちゅぐちゅと歩の指が動くにつれ、卑猥な音が大きく響いている。
「………」
「ひぁっ…!んんっ!!」
ビクビクと快感に震えながら歩を見ると、相変わらず俺を信じていない目で眺めていた。
その目を見た瞬間、俺の胸の内が冷えていくのを感じた。
「…くっそ……ぁ、もっ…」
冷たく無表情な顔。
俺が震える姿を見ながら、何の感情も無く指を動かす歩に怒りが湧いてきて。
ぐっと唇を噛み締めて、俺は今にも快感にイってしまいそうな体に力を込めた。
「ゃめろって…言ってんだろーがっ!!」
バッと歩を引き剥がして、俺は半分剥かれた制服を手繰り寄せて露わになっていた肌を隠した。
「……真澄…」
「近づくなっ!!」
手を伸ばしてきた歩から顔を背け拒否した俺は、直ぐに乱れた制服を直してから立ち上がった。