第7章 いってらっしゃい
あれから自分の家へ帰り、
ゆらゆら揺れる提灯の明かりを
ぼーっと見ながら気持ちを落ち着かせた。
最終選別っていうのは明後日だけど、
ちょっと遠くまで行くから
明日にはもう発つって杏寿郎言ってたな。
槇寿郎さん、ちゃんと羽織渡せるかな…
「はぁ、やっぱり私が渡せば良かったかも」
考えれば考えるほど分からなくなった。
私がしたことは正しかったのか
間違っていたのか。
そんなことを考えているうちに、
いつの間にか眠ってしまった。
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「杏寿郎、もう行くの?」
「あぁ、最終選別が行われる藤襲山は
少々遠いからな!
今日は近くまで行って、
山の麓の宿に泊まるつもりだ!」
「兄上、お気をつけて」
朝から杏寿郎が出かける準備を一緒にした。
槇寿郎さんは自分の部屋から一歩も出てこない。
どうにかして足止めしないと…